9月30日に開催された中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、「紹介状なしの大病院受診時に係る定額負担の導入」についての議論が始まった。

健康保険法改正を踏まえ、一定規模以上の病院は、紹介のない初診時などに「定額徴収を責務にする」案が示され、診療側、支払側の双方が支持した。対象となる病院、徴収金額、徴収しない例外の規定などが今後の論点になる(資料は、厚労省のホームページ)。

 
対象病院について、厚労省は、特定機能病院のほか、500床以上の地域医療支援病院を対象とする案を提示。

これに対し、「特定機能病院と200床以上の地域医療支援病院」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)とより広く徴収する意見のほか、「患者の立場では病床数は分かりづらい。機能面での議論が必要」(健康保険組合連合会副会長の白川修二氏)と、病床数以外の基準での検討を求める声も挙がった。


 厚労省は初診時の定額負担額の例として、3000円、5000円、1万円の3案を提示。

再診時は1000円、もしくは初診時の最低金額の約4分の1を提案した。
2015年4月の調査で、初診時の特別料金の平均額は2394円、再診時の平均額は1262円で、それぞれ現行制度の平均金額と同程度かそれ以上の金額。

厚労省は患者の受診行動に与える影響を効果的にするには、初診時は5000円以上が妥当だと説明した。定額負担額が全国一律の最低基準とするのか、地域差を認めるか、またその額が今後の検討課題だ。