戦時中に三池炭鉱などで亡くなった中国や朝鮮半島の出身者を悼む合同慰霊祭が、12日、荒尾市の寺で行われました。
慰霊祭が行われたのは、荒尾市樺にある正法寺です。

寺には、戦時中福岡県と熊本県にまたがる三池炭鉱をはじめ全国各地の炭鉱などで亡くなった中国と朝鮮半島の出身者、それぞれの供養塔があり、毎年4月12日に合同慰霊祭が行われます。

今回は地元のほか、中国、韓国、それに北朝鮮の団体の代表者などおよそ30人が参列し、韓国や地元の僧侶たちの読響が響く中、次々に焼香して、犠牲者たちを悼みました。

このあと荒尾市の山下慶一郎市長が「餓えや病気などで多数の尊い命が失われた不幸な歴史を2度と繰り返すことのないよう、よりいっそうの平和友好に努めていきたい」とあいさつしました。

また、駐福岡大韓民国総領事館の朴起準副総領事は「きょうの慰霊祭が平和の価値を守り、後世に伝えることを誓う機会になることを願う」と述べました。

正法寺の赤星善弘住職は「いかなる理由があっても戦争をしてはいけない。
平和こそが亡くなった方に対する最高の供養ではないでしょうか」と話していました。